今週のフランス

マクロン大統領、両院合同会議を招集

マクロン大統領は7月9日、ベルサイユに両院合同会議を招集した。これまでの政策の成果を説明し、今後の方針についても明らかにした。

大統領が両院合同会議を招集するのはこれが2度目。大統領は、同会議を毎年招集し、政策運営の成果を説明する機会にすると予告しており、就任から1年余り経過した今回の合同会議は、これまでの政策運営について振り返る初の機会となった。

大統領はこの機会に、ISF(連帯富裕税)の廃止、労働法典の改正、鉄道改革などこの1年間に取り組んだ改革を改めて擁護。「金持ちの大統領」という批判に対して、所得分配を行うにはまずは分配する所得があるのが前提であり、そのためには生産活動を促進する政策の推進が必要だと述べて、自らの政策の正当性を強調した。

今後の政策に関しては、17日に大統領府で労使代表を集めた会合を開くと予告。大統領はこの機会に、失業保険の制度改革に向けて労使に協議を要請すると予告。それを折り込んで、国会審議中の職業訓練等制度改正法案を一部修正し、労使合意の内容が法令に反映されるように計らうと説明した。大統領は、改革の目的として、失業保険制度が間接的に非正規雇用の拡大を招かないようにすることを挙げ、2019年6月までに改革の内容を実施するとの方針を示した。国会審議中の法案においては、産別労使交渉の成果を見た上で、必要なら、政府が、短期雇用契約の利用が多い企業に対する社会保険料割り増し制度の適用や、勤労所得と失業手当の両取り規制の導入を決める旨が盛り込まれていたが、こうした措置が一旦解除され、新たに労使の全体交渉にこの案件を委ねるという格好になる。これが意味するところを巡っては、政府がさらに踏み込んだ措置を決める準備であるとか、逆に、労使交渉の自主性を尊重する意向を表明したものであるとか、相反する解釈が提出されており、17日の会合で政府の態度が明確化するものと見られている。大統領はこのほか、大手企業100社の代表を集めて、雇用拡大の方法について協議するとも予告した。

大統領はまた、野党側の批判に応えて、来年からは、両院合同会議における演説後に、質疑の機会を設けると予告した。そのために必要な憲法改正を、準備中の改憲法案に盛り込むと説明した。(「日刊メディアダイジェスト」7月10日より転載)

 

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