今週のフランス

サウジアラビアのムハンマド皇太子、フランスを訪問

サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子は4月8日、フランス訪問を開始した。同日には、ルーブル美術館の「民衆を導く自由の女神」(ドラクロワ作)がある大広間で、マクロン大統領との私的会食が行われた。訪問は3日間の日程で行われ、最終日の10日までに、10件程度の協力合意(再生可能エネルギー等)が調印される予定。

ムハンマド皇太子は昨年6月に皇太子に昇格。それ以来で汚職摘発のキャンペーンを進めつつ権力基盤を強化し、国の近代化を推進する姿勢をアピールしている。今回は西洋諸国歴訪の一環としてフランスを訪問、開放路線を印象付けるのが最大の目的となる。

皇太子は米国を3週間に渡り訪問した後、直接にフランスに到着した。訪問期間の長さの違いは、サウジアラビアにとってのそれぞれの国の重要性をそのまま反映している。サウジはオバマ米大統領時代には、オバマ政権がイランとの和解を進めたことに反発し、フランス政府(オランド大統領時代)と急接近していたが、トランプ米大統領の就任以来では以前のように親米路線に戻り、フランスも普通の友好国の地位に戻った。今回の訪問では文化問題が中心となり、10日には、世界遺産にも指定されている、アルウラーのナバテア王国時代の遺跡の観光開発のための協力合意に調印がなされた。ナバテア王国はペトラ遺跡(レバノン)で有名で、アルウラーにも同様の遺跡がある。イスラム教化以前の古代文明の遺跡の活用には、経済の多角化の推進と、世界への開放的な姿勢のアピールという2つの狙いが込められている。なお、マクロン大統領は9日、年末にサウジアラビアを訪問すると予告した。この機会には一連の契約が調印されるという。(「日刊メディアダイジェスト」4月10日より転載)

 

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