今週のフランス

植物状態の未成年者、生命維持処置の停止を裁判所が承認

行政最高裁(コンセイユデタ)は5日、植物状態に陥った未成年者の生命維持処置を停止することを認める判決を下した。緊急審理を経て、両親の異議申し立てを却下した。未成年者についてこの種の判決が下ったのはこれが初めて。両親側は判決を不服として、欧州人権裁判所に提訴すると予告。病院側はこの提訴の結果を待つ方針を確認した。

この事件では、現在14才のイネスさんが2017年6月、難病を経て心肺停止の末に植物状態に陥った。入院先のナンシー大学病院は7月の時点で、法令に則った手続きを経て、回復の見込みがないと判断し、生命維持処置を停止することを決めたが、両親がこれに反対し、差し止めを求める行政訴訟を起こしていた。

フランスでは、2016年2月のクレイ・レオネティ法により、回復の見込みがない患者について延命治療を停止することを可能にするための法規の枠組みが整備された。本人の意志を尊重するのが前提で、本人が意志を明示していない場合には、医師団が合議制で回復の可能性を検討した上で、延命治療の停止を決めることができる規定となっている。これに両親が反対した場合、行政訴訟に発展するケースが生じるようになっており、今回は未成年者が対象である点から、裁判所がどのような判断を示すかが注目されていた。

行政最高裁は去る3月にも、15ヵ月の幼児の案件で、こちらは両親の提訴を認めて延命治療の停止を差し止める判決を下していた。今回はそれとは逆に、延命治療停止を認める初の判決となった。裁判所は、決定に至った医師団の根拠を正当と認め、生命維持処置の継続を延命治療に当たると認定。停止の決定に当たっては、医師団には両親の合意を得るように努める義務があるが、両親の合意が必要不可欠な前提条件であるとは言えないとの判断をあわせて示した。(「日刊メディアダイジェスト」1月8日より転載)

 

 

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