今週のフランス

仏金融業界のVAT節税対策、欧州司法裁判決により継続が不可に

欧州司法裁判所は9月末に、銀行・保険会社による付加価値税(VAT)節税対策を認めない内容の判決を下した。仏金融業界からは、業界全体で年間20億ユーロ近くの負担増を招くとの懸念の声が上がっている。

今回の判決は、欧州連合(EU)の指令において認められ、フランスを含む一部諸国で国内法規化されている「手段の連合」と呼ばれる制度について下された。「手段の連合」とは、グループ内で共同で用いる手段(情報処理、経理など)について、グループ傘下の子会社が提供する役務等に付加価値税(VAT)の課税を免除するという制度。裁判所はこの制度について、公益事業を担う者のみが利用を認められるとの判断を下した。同制度の利用を制限し、銀行・保険会社については同制度の適用外である旨を確認する判例となった。

フランスでは、銀行・保険会社が自らの顧客から付加価値税を徴収できないことに配慮し、「手段の連合」制度が両業界の企業に対して適用されてきた。これが今後、適用されないことになると、業界の税負担は大きく増加する。業界側からは、仏政府に対して、グループ内の取引に係る付加価値税を廃止する方向で税法を改正するよう求める声が上がっている。仏政府は対処を約束しているものの、グループ内のVAT廃止には慎重な構えを見せており、むしろEU指令を改正する方向で検討を進める考えを示している。(「日刊メディアダイジェスト」10月5日より転載)

 

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