今週のフランス

フィリップ新内閣が発足

大統領府は17日午後、フィリップ内閣の閣僚名簿を発表した。首相を除いて総勢22人の新内閣が発足した。18日に初閣議が行われる。

 

新内閣は、主任の大臣が16人、担当相が2人、閣外相が4人の22人で、男女が11人ずつと男女同数を実現した。ただ、主任の大臣に限ると男性が9人、女性が7人で、担当相を加えると男女同数になる。

 

顔ぶれは、政治家が11人、非政治家(「市民社会の代表」)が11人と半数ずつになっている。政党別でみると、共和党が2人、中道MODEMが3人、社会党が4人、左翼急進党が2人となっている。うち社会党は、オランド政権で国防相を務めたルドリアン氏を除くと、ごく早い段階からマクロン大統領を支持してきた3人(コロン、フェラン、カスタネル)で、社会党所属というよりはマクロン派に分類した方が正しい。半面、共和党は、フィリップ首相に加えて、ルメール元農相が経済相に、サルコジ派に属するダルマナン氏が予算担当の公共政策・会計相として入閣。自由主義的な経済政策を推進する方針をうかがわせた。このため、保守勢力への傾斜を強めた人事だとする見方もある。

 

大物を処遇する手段として用いられる「国務大臣」の称号が3人に与えられた。最初からマクロン大統領の出馬をサポートしたリヨン市市長・上院議員のコロン氏(社会党)は重要ポストの内相として入閣。選挙戦の微妙な時期に自らの立候補を断念し、マクロン候補を支持した中道MODEMのバイルー党首は法相として入閣した。国務大臣となったもう一人は、環境保護派の大物であるニコラ・ユロ氏で、環境問題を扱う大臣に就任する。ユロ氏は環境保護のテレビ番組プロデューサーとして知られ、シラク政権以降は歴代の政権に環境・気候変動対策関係の顧問などとして、影響力を及ぼしてきた。入閣の誘いはサルコジ政権以来、毎回のようになされたが、入閣に応じたのは今回が初めて。

 

マクロン大統領が重用するルドリアン前国防相は外相として入閣。MODEM所属のドサルネズ氏はルドリアン外相付きの欧州問題担当相として処遇された。MODEM所属のグラール欧州議員は「軍隊相」として入閣した。なお、この「軍隊相」をはじめとして、今回の組閣では、新味を打ち出すためか大臣の役職名にかなりの変更が加えられており、担当の権限の範囲についてはある程度のあいまいさを残している。

 

「市民社会の代表」が11人と多いのも新味で、これにはユロ氏も含まれる。文化相に抜擢されたニサン氏は文芸出版のアクトシュド社の社長で、運輸担当相のボルヌ氏はRATP(パリ交通公団)のCEOからの入閣となる。労働法典改正の大役を担うペニコー氏は、官民企業の人事担当を歴任した人物で、過去には労働省で顧問を務めた経験もある。スポーツ相にはフェンシングの五輪金メダリストのフレセル氏が抜擢された。教育相には、名門ビジネススクールESSECの校長などを歴任したブランケール氏が就任した。

 

フィリップ内閣閣僚名簿

 

◆首相:エドゥアール・フィリップ(共和党)

 

大臣

◆内相(国務大臣):ジェラール・コロン(社会党)

◆エコロジー・連帯移行相(国務大臣):ニコラ・ユロ

◆法相(国務大臣):フランソワ・バイルー(MODEM)

◇軍隊相:シルビー・グラール(MODEM)

◆欧州・外務相:ジャンイブ・ルドリアン(社会党)

◆国土連帯相:リシャール・フェラン(社会党)

◇連帯・保健相:アニェス・ビュザン

◇文化相:フランソワーズ・ニサン

◆経済相:ブリュノ・ルメール(共和党)

◇労相:ミュリエル・ペニコー

◆教育相:ジャンミシェル・ブランケール

◆農業・食糧相:ジャック・メザール(左翼急進党)

◆公共政策・会計相:ジェラルド・ダルマナン(共和党)

◇高等教育・研究・イノベーション相:フレデリック・ビダル

◇海外相:アニック・ジラルダン(左翼急進党)

◇スポーツ相:ローラ・フレセル

 

担当相

◇運輸担当相:エリザベット・ボルヌ

◇欧州問題担当相:マリエル・ドサルネズ(MODEM)

 

閣外相

◆議会関係担当・政府報道官:クリストフ・カスタネル(社会党)

◇男女平等担当:マルレーヌ・シアパ

◇障害者担当:ソフィー・クリュゼル

◆デジタル担当:ムニル・マジュビ

(◆は男性、◇は女性)

 

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