今週のフランス

ビベンディ、アバスを買収へ

  仏メディア大手ビベンディが仏アバス(広告)を買収する。5月11日に計画が発表された。

ビベンディはまず、アバスの59.8%株式を保有するボロレ・グループ傘下の持ち株会社から全株式を買収。次いで、同じ条件で残り株式にTOBをかける。買収価格は1株9.25ユーロで、これは10日終値に比べて9%近く高い。この価格だと、アバスの株式100%の買収額は40億ユーロに上る。買収は現金でなされるが、ビベンディはアバスの100%株式取得を目的とはしないと説明している。

ビベンディの筆頭株主はボロレ・グループであり、株式の20.6%、議決権の30%近くを保有している。ボロレ・グループを率いるバンサン・ボロレ氏はビベンディの監査役会会長を務めており、以前からアバスをビベンディに統合するとの噂が流れていた。アバスのCEOを務めるのは、ボロレ氏の息子であるヤニック・ボロレ氏(37)で、同氏は統合後もアバスCEOとビベンディ監査役の兼務を続けることになる。バンサン・ボロレ氏の後継者最右翼のポジションを固める。

ボロレ・グループはこの取引で、43億ユーロに上る債務水準の軽減を実現できる。他方、ビベンディとアバスはこの統合計画について、コンテンツ制作と広告の両方を扱える一大グループの誕生という事業面での利益を強調。データ利用のノウハウを通じて、米国のインターネット大手に対抗できる足場を固められると説明している。

企業規模でみると、合併後の両社は年商が137億ユーロ、EBITDAが17億ユーロとなる。ビベンディの現預金(純額)は3月末時点で5億ユーロであり、この買収を経た後では、少数株主が持ち寄る株式がどの程度であるのかにより、現預金は19億-35億のマイナスに転じることになる。利益相反などの問題を指摘する向きもあるが、ビベンディ側は問題は一切ないと説明している。(「日刊メディアダイジェスト」5月12日より転載)

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