今週のフランス

ルノーの排ガス不正疑惑、DGCCRF調書は厳しい判断下す

15日付の仏リベラシオン紙は、仏自動車大手ルノーの排ガス不正疑惑について仏競争・消費・不正抑止総局(DGCCRF)がまとめた調書の内容を報じた。同紙によると、DGCCRFの調書は「ルノーは車両型式認証に際して行われる排ガス試験で、排出量を意図的に操作する戦略を用い、消費者を欺いた」と厳しい判断を下している。

この件では、DGCCRFが検察当局に提出した調書をもとに、公衆衛生に関わる不正を取り扱う権限を有するパリの検察当局が1月12日から捜査を開始し、パリ地裁の予審判事3名が担当者に任命されている(予審は、起訴の是非を決めるために行う裁判上の手続きで、これを担当するのが予審判事)。

2015年9月に発覚した独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題に鑑みて、仏環境省が着手した独自の路上排ガス試験でルノー車の成績が特に悪かったことが、ルノーの不正疑惑が浮上するきっかけとなった。特に「ルノー・キャプチャー」(欧州排ガス規制「EURO6」対応)と「ルノー・クリオⅣ」(「EURO5」対応)は路上試験でNOxの排出量が規制の制限値をそれぞれ377%と305%も上回っていることが確認された。これを受けて、経済省も附属機関であるDGCCRFにルノーの調査を命じ、DGCCRFはルノーの本社を含む複数の事業所に対する立入検査を実施した。押収された2015年11月25日の電子メールなどにより、ルノーの経営陣がすでに、排ガス浄化装置が試験場での排ガス試験の際には機能するが、路上走行中には機能を停止することを承知していたことが分かっているという。

DGCCRFは押収した資料の分析により、ルノーが7年以上も前から不正戦略を実施してきたことが判明したとしている。その試算によると、ルノーはこの期間に合計で90万台近い不正車を販売し168億ユーロの売上高を得たと推定される。不正が証明された場合、年商の1割に相当する罰金を科される可能性がある(35億ユーロ)。またゴーンCEOの直接的な責任が問われる可能性もあるという。ルノー側はリベラシオンからの問い合わせに対して、潔白を主張し続けており、この問題に関して引当金を計上する予定もないとしている。(「日刊メディアダイジェスト」3月15日より転載)

 

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